【著者特別インタビュー&コンサルタントインタビュー vol.3】経営の「見える化」が生産性を変える!
はじめに
タナベ経営のトップコンサルタント、武政 大貴(東京ファンクション本部 本部長代理 生産性部門責任者 )の著書『真の「見える化」が生産性を変える』がダイヤモンド社より刊行されました事をご案内申し上げます。
刊行に際し、武政にインタビューを行いました。“経営の見える化”によって与える影響やどのような企業になって欲しいのかを熱く語っている内容となっております。
経営に携わられる方、必見の内容となっておりますので、ぜひご一読くださいませ!
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これまでのキャリアを教えてください。
- 大学卒業後、財務省で7年半、金融機関の監督業務や法人企業統計の集計業務などを担当していました。その後、結婚を機に義父の営む卸売業の経営に関わりました。金融機関を通じて借り手企業の経営を間接的に見ていた自分が、実際に中小企業の商売に携わってみて相互のギャップを感じました。役所は机上の空論を言っており、実際の現場は泥臭い、間に入る金融機関の立場もあります。いずれの考えも分かる経験を持っていることは非常に武器になると考えコンサルタントを志しました。
タナベ経営へ入社後数年は前職の経験もあり、財務チームに所属し企業再建などに尽力しました。そこで出会ったのが自律型組織の構築を目指す見える化手法です。問題を可視化して課題立案、全員参加での実行を促す取り組みを現在も日々の支援の中で研究しています。加えて、現在ではIT活用やSDGs実装支援など世の中の潮流にあわせたコンサルティングメソッドを開発し実行力強化の専門家を目指して奮闘中です。
なぜ今回執筆しようと思ったのでしょうか?
- 経営の見える化研究会に立ち上げから従事して今期で9年目。見える化手法を活用した自律型組織の構築が永遠の研究テーマです。私の中で一旦、これまでの研究事例をまとめ直し、発信しようと思っていたのですが、その最中に世の中がコロナで大きく社会が変化しました。そのコロナによる価値観・行動様式の変化に伴い、働き方が変わる中でよりこの見える化の果たすべき意義が大きいと考え、今回執筆した次第です。
まず“経営の見える化”とは、どのようなことなのでしょうか?
- 問題点を顕在化し課題解決する手法になります。モノ・業務・管理において数値やタスクなどを“見える化”することにより、業務の生産性向上や従業員のモチベーション向上など、複数の課題解決につながる手法になります。リモートワークで一例をあげると、「リスクの見える化」「コミュニケーションパイプの見える化」「マネジメントの見える化」「業務の見える化」などです。
しかし、“見える化”はあくまで手段なので、活動目的を明確にすることが重要になっていきます。
経営の見える化をすることによって、“会社”や“社会”はどう変わると思いますか?
- まず、会社という観点では“経営の見える化”を行うことにより一人ひとりが考え行動する「実行力のある企業」、つまり自律型組織に変わっていきます。その自律型組織の本質はトップの想いを熱量が冷めることなく、スピード感が落ちることなく誰一人取り残さず全員参加で取り組むことがです。
また、見える化には多くの目的が存在しますが目的別に見える化することにより働き方が変わり、トップの思いが見え、社員のオリジナリティが出てきます。すると会社は闊達になっていき、人も組織も自走していく。そして会社の体質が変わると思っています。
社会という観点では、ニューノーマルな時代においては“経営を見える化”することにより、会社の体質が変わり、人が考えることが「高度化」し、動くことが「自動化」し働く時と場所が「離散化」し動くことが一層「合理化」していくと思っています。
“経営の見える化”の読者にこの本を通じてなってもらいたい姿とは?
- 不確実性が高い時代だからこそ、目的を、問題を見える化し、高速でPDCAを回し、「総ジブンゴト化」により未来を自らが切り開けるようになっていただきたい。また、デジタルツールの活用が叫ばれていますが、ツールに踊らされることなく、デジタルとアナログの融合が重要であり、活用する側の我々の目的、ルールなどしっかりと捉えなおしたうえで、ステージアップを図ってほしいと思っています。
最後にメッセージをお願いいたします。
- 「戦略二流でも実行一流の企業が生き残る」。見える化手法を活用した真の働き方改革とは、最終的には企業体質改善(社風改善)にほかなりません。また、手法にとらわれて目的を見失ってはいけません。働く現場の一人ひとりを見て、課題を直視し、それを解決できる手法を選定していただきたいです。それには多くの困難、抵抗や失敗が想定されますが、一人ひとりが「チェンジリーダー(変革を恐れず挑戦する人材)」となって持続的成長を図っていただくために、この書籍が少しでも役立てば幸いです。